2010年09月13日
第16回ほろ酔い映画だより「ユリイカ」
昨日は午前中時間があったので、青山真治監督 2000年作 「ユリイカ」を観ました。
本当に素晴らしく、かなりの余韻を楽しんだ。217分いう三時間半を超える作品でしたが、まったく長く感しなかった。
言葉や音も抑えた心を描く作品。
九州の片田舎で起きたバスジャック殺人事件で生き残った幼い兄妹と運転手はそれぞれ心に深い傷を負ってします。その後も彼らに不幸や事件が覆いかぶさり、今までの日常や人間関係を失ってさまよう。
しかし時間と愛をかけて、寄り添いながら少しづつ人生を取り戻そうと、バスで旅に出かける。
他人のために生きることができるのか、主人公は自らの傷とともに、幼い二人の再生に向けて命をかけて向き合う。
全編 セピア色の映像で、その翳りが 余計に傷ついた心の闇を、そして言葉ではない心の繋がりを露にしていくように観るものにつきつける。
印象に残る素晴らしいシーンが続く。
俳優陣の細やかな演技は涙を誘う。
なんともいえない感情を抱きながら、小さな希望の可能性を観る者も探す。
ラスト近くから、気持ちの変化に呼応するように、セピアから画面が色づく。
色づく画面やカメラは、単なる始まり、すなわち、希望に満ちたというより、ほんのわずか動き出したに過ぎないことを我々に示唆するのである。
あ~~~なんと素晴らしい映画なんだあ~~
見た後、余韻にひたりながら、ラスト15分を三度繰り返して観た。
表現者にとってのラストシーン。ここにいつも注目している。

- by satoshi kusaka
- at 08:34

comments
これはかなりの名作でござる。
恐るべき名作!!